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2013/08/30

【スペイン/セビーリャ】バルとフラメンコに酔った夜

すべてが歴史的建造物にみえるセビーリャの街並み。

ポルトガル・リスボンから、スペイン・セビーリャまでバスで約8時間(INTER CENTRO社・44ユーロ/人)。
ジェンゲン協定圏のため、国境を超える際の検査などは一切なし。
通貨も変わらず、旅をする身としては楽ちんなことこの上ないが、
何かこう物足りないというか、不安というか…
「いーんですね、本当に?わたし、悪いことしちゃうかもしれませんよ」と脅しながら、知らぬ間に入国。

スペインといえば、バル!
そして、セビーリャといえば、フラメンコ!オーレ!!
やること、食べること、飲むことが多く、忙しい。

暑い日差しの中、昼はせっせと街歩き。

世界遺産に登録されているセビリア大聖堂。
世界で3番目に大きな大聖堂ということで、 確かに圧倒的な存在感。

土日はほとんど閉まってしまう商店街。

バル1件目は、ビール1杯0.4ユーロ、タパス1皿0.9ユーロという激安店。

ふぅー、ペロリといただいたわ。次行くわよ。

バル2件目は、タパス2皿に赤ワイン。あー、幸せ!!

夜もせっせと、食べて飲んで、フラメンコを見に行く。
なんせスペインの夜は長い。
お酒に音楽、楽しい時間を過ごすには十分すぎる

バル3件目は、安くておいしい料理が食べられる『El Pimenton』へ。
ここのタパスは作り置きではなく注文してから作られる熱々の創作料理風。
タパス6皿、グラスワイン4杯、ビール小で26ユーロ。

フラメンコの拠点の地といわれるセビーリャ。
街にはタプラオと呼ばれる板張り舞台を備えたライブハウスやレストランが溢れているが、
どこも1人30ユーロから、ドリンクや食事が付くと70ユーロ以上と高い。

そん中みつけたのが、『La Carboneria』というタプラオ。
小さなスペースに設置された、小さなステージ、
そこから繰り出される、激しく情熱的な踊りと歌声とギターの音色──。

高いお金を払って見る洗練された世界とは違うのだろうけれど、
音楽って、こうして心と体で楽しんだらいいんだな、と素直に思える感動があった。

入場料などは必要なく、無料でフラメンコを楽しめる『La Carboneria』
ステージ横には広い飲食スペースがあり、お酒を飲みながら鑑賞できる。
サングリアを頼むと大きなジョッキに入って出てきた。サイコー!!

髪を振り乱しながら激しく、美しく踊る女性。

フラメンコを愛する渋いおじさん2人。足を踏み鳴らしながら、軽快な手拍子とギターにあわせ歌う。

ギターにあわせ、即興で踊りだす2人。

楽しい宴は朝方まで続くらしい。

■スペイン・セビーリャ 安宿情報


Pension Nuevo Suizo
住所:Calle del Azofaifo, 7, Seville, 41004
TEL:34 (95) 4229147, Fax: 34 (95) 4227925

・ツインルーム、バスルーム別、朝食付きで23ユーロ
・街の中心にあり観光するのに便利
・レセプションは英語堪能
・ベッド、バスルームともに清潔で快適
・朝食は、パン、ハム、チーズ、フレーク、牛乳、ジュース、コーヒー、紅茶などシンプルなビュッフェ形式


2013/08/27

【ポルトガル/サンタクルス】 無頼派・檀一雄が住んだ風光明媚なビーチ

キラキラと陽光が揺れる。憧れの作家が暮らした土地だ

作家・檀一雄。小説『火宅の人』で知られ、太宰治との交流、その作品の傾向から『最後の無頼派作家』といわれた。昭和51年に没しているので、今なら“檀ふみのお父さん”の方が通りがいいだろう。
僕はこの作家の豪放さと面白さに高校時代から入れ込んでいて、大学の卒業論文も檀一雄の評伝を書いた。その卒業論文では、沢木耕太郎が妻・ヨソ子をインタビューした本『檀』に対抗心を燃やし、火宅の人に出てきた愛人・矢島恵子のモデルとされた人物に会いにいったりした。今となってはその出来、及び行動(取材とか言ってみたかった)に恥ずかしさしかないが、今の仕事に就く原点にはなっている。
他にも沢木さんの卒業論文を友達と探して、お会いできたりとかのエピソードもあるのだが、これはまた別の機会に。


こんなに檀一雄好きの僕だから、ポルトガルに行くことがあったら、檀一雄が住んだ土地・サンタクルスに行くのは必然だ。
事前に調べてみると、檀一雄が晩年に住んでいたサンタクルスは寂れた漁村からリゾートに生まれ変わっていて、ホテル代も50ユーロ(6500円)からと高い。リスボンからの日帰りで向かった。

リスボンからはRede expressosでTres Vedras(トレスベドラス 片道6ユーロ・1時間半)へ。そこからSantcruz(サンタクルス)行きのバスに乗り換える。30分ほどでビーチに下ろされた。(路線バス・片道2.5ユーロ)


ベドラスの切符売り場。周辺にはカフェが少しあるぐらいの田舎町だった

眼前には初めて見る大西洋が広がっている。思っていたよりも波が高い。海の家でビールを一杯飲んで、檀一雄の石碑を探してみた。

昼間から飲むビールの心地よさよ。海の家には水着姿の老人がたむろしていた

海岸を見下ろす階段を昇ってみる。すると、詩が書かれた石碑がぽつりと建っていた。
『落日を 拾いに行かむ 海の果』
家庭を顧みない豪放磊落な生き方をしていた檀一雄。死期の迫った晩年、彼はどんな思いでサンタクルスの夕陽を見ていたのだろうか。

海を見下ろす絶好の場所に建つ石碑

温暖ではあるが、意外に激しい地形が日本海を思い出させた

砦のようなものが復元されていた。はしゃぐ嫁
前記の石碑から北へ百メートルほど行った西側に、檀一雄の名前がついた通りがある。

檀一雄通り。1年数カ月住んだだけなのに通りの名前になるとは! フランスではビクトルユーゴー通りをよく見かけた

檀一雄通りに彼が住んだ家がある。はしゃぎたいがおなかがすいて限界

ポルトガルも老人が多かった。日本より明るい表情なのが救いだが

リスボンに帰るバス内から、きっと檀一雄も見たであろう夕陽が見えた

2013/08/25

【ポルトガル/リスボン】日曜の観光と動物園と、うまいっ!!

夜の街に映えるサンタ・ジュスタのリフト。
石畳の道に路面電車…、素朴で美しい街並みがポルトガルの魅力だと思う。

が、落書きも半端ない。

坂道も半端ない。
リスボンは「7つの丘の都」と呼ばれ、起伏が激しい。

色合いがかわいい建物たち
こういう景観を見ると「じゃ、うちはピンクでいきますんで」「たくは黄色で」みたいな会議が開かれているのかと気にってしまう。
それとも「何ぃ!?隣がピンクだと。うちはオレンジでいけっ」みたいな感じなのか…それともオーナーが同じだからトータルコーディネートなのか…とか、どうでもいいことを考えてしまい、解決しない。

ポルトガルの首都にして、15~17世紀の大航海時代 もっともブイブイいわせた「リスボン」にやってきた。
(ポルトからバスで約4時間。1人20ユーロ。メトロ「Jardim Zoologic」にあるバスターミナル着)

戦国・安土桃山時代、ここから鉄砲、キリスト教、ザビエル、カステラなどがやってきたと思うと
何とも不思議な感覚に包まれる(ざっくりしすぎ?)。
当時のポルトガルはまさに黄金時代。ヨーロッパ随一の海洋帝国として
ざっくざくの富をほしいままにしていたという。
いまやヨーロッパの中では地味な国になっているが…
なんせ、ご飯がうまい、うまい、うまい! 私はEUイチ、気に入っています。



リスボンを観光するなら「日曜日」である。
なぜなら、主要な観光地の入場料などがタダになるから!
ヨーロッパでしばしばみられるこの制度、わたくし、大変素晴らしいと思っております。

そこで早速向かったのが、大航海時代の富を象徴する「ジェロニモス修道院」。
(入場料7ユーロ。日・祝日は14時まで無料)

大航海時代を支えたパトロン エンリケ航海王子(航海王子だけど自分は航海しなかったらしい)と、
ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路発見の偉業を讃え、建てられたものだそうだ。
どこかねっとりとした繊細でテンコ盛りの彫刻が、当時の栄華を思い起こさせる。

かなり大きいです。

盛りだくさん。黄金期だから惜しまない。

中庭をはさんだ壮麗な眺め。

修道院の向かいには、同じくエンリケ航海王子500回忌の記念碑「発見のモニュメント」がある。
「500年とはまた随分たってから…」と思いつつ、こちらは入場料がかかるので車道越しという雑な観光。
帆船の先頭にエンリケさん、後ろから2番目にザビエルさんがいるらしいです。

次に向かったのは、石油王グルベンキアンさんの膨大なコレクションが展示されている「グルベンキアン美術館」。
イスラム美術、エジプト・ギリシャの古代美術…、トルコ、中国、日本…、絵画、陶器、絨毯…と、
とにかくこちらも盛りだくさん。かなり見応えがある。
(入場料4ユーロ。日曜日は終日無料)

*グルベンキアンさんは、通称「ミスター5%」と呼ばれていたそうです。おもしろい。
 くわしくはwikiで。

私の大好きな狛犬が、たくさん壷の上に乗っておりました。

そして、あると行きたくなるのが動物園。
ここリスボンにも「Jardim Zoologico(ジャルディン・ズーロジコ)という立派な動物園がありました。
入場料は18ユーロ。これは払ってます。

園内を上から眺めることができる立ち乗りリフトがある。

上から動物を見るのはなかなか新鮮。

サイとたぶん死んでるハト。動物との距離が近いのも楽しい。

ミーアキャット、はじめて見た。かわいい。

アシカ&イルカショーもある。

あとはもう、おいしいものを食べるのみでございます。
ポルトガル料理はSopaソッパ(スープ)がおいしいと聞いていたが、うわさ通りのおいしさだった。
しかも鍋ごと出てくるなど、量も惜しみないところが素晴らしい。

やさしいお味。
海外で重層的なうまみを感じる料理に出会うとうれしくなる。

パン入り。これだけでお腹いっぱいになってしまうほどの量だが、うまいっ!!

魚介リゾット。これはもう激うまで、旅で食べたおいしいものベスト3に入ります。

ポルトガルで大好きになった緑のワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」。
さわやかな微発泡ワイン

ポルトガル人はタコが大好き。私も大好き。
夫も大喜び。うほうほ。

と、ポルトに続きリスボンも満喫。
田舎町にももっと行ってみたいし、必ずまた来よう、ポルトガル。

■ポルトガル/リスボン レストラン情報


A Licorista O Bacalhoeiro
住所:Rua dos Sapateiros, 222 e 224

・旧市街の真ん中 Rossio広場のすぐそば
・おいしいシーフードが手ごろな価格で食べられる
・ビール2杯、前菜&パン、スープ2品、メイン2品、ワイン1本頼んで30~40ユーロ(2人)
・なんでもおいしかったが、特に魚介リゾットがお勧め。
 2回目、少し遅い時間に行ったら売り切れだったため、早め(18~19時)にはお店に入ると並ぶこともなくよい。
・英語メニュー、英語を話せるウェイターさんがいる(紳士)

■ポルトガル/リスボン 安宿情報


Pensao Elegante
住所:Travessa Do Fala So 12, Lisbon 1250-110

・ダブル、なぜかシャワーは室内にあり、トイレ共用で30ユーロ
・リスボンの中心 地下鉄レスタウラドーレス駅徒歩5分と、どこへ行くにも便利
・グロリア線が走る急な坂を少し上り、小道を入る
・常に掃除されており、部屋も共有トイレも非常に清潔。なんと毎日ベッドメイクまである
・英語を話すレセプションの女性が親切



2013/08/22

【 ポルトガル/ポルト】 旅人にピッタリサイズの楽しい街

街並みを見下ろすとかわいらしい
 旅人に合った街の大きさというものがある。例えば、インドのバナラシ。ガートの横に宿を取れば、端から端まで歩いても1時間半ぐらい。その他のみどころもオートリキシャで20〜30分。その上歩いていて“楽しい”のが重要だ。

デリーとかパリとか、一国の首都は旅人にとって広すぎることが多い。日本なら東京、大阪は少し広すぎる。神戸、仙台なんかを旅人は好むだろう。

それでいうとポルトガル第二の都市・ポルトはちょうど良い加減の街だった。
近づけばボロいけど、美しい街並み。突然現れる中世の建造物。川、猫、美味しいシーフードと楽しみがいっぱいだ。

教会の周りに観光客は少なく、その圧倒的な姿を堪能することができた

サンベント駅のタイル画。街中の家の壁にも幾何学模様のタイルが多かった

ドン・ルイス1世橋の近くにはポートワインの樽を積んだ船をよく見かけた

坂が多い街だが、海も近い。カモメが羽を休めている

猫がいる街に悪い街はないにゃ〜

イワシの南蛮漬け。そのままの味。魚に飢えている僕らはまたたくまに間食

ポートワイン「SANDEMAN」。ワイナリー見学ツアーに参加(約1時間・5ユーロ・ワイン試飲2杯付き)

ポートワインはワインと蒸留酒を混ぜたものだそうで、甘ったるくて、いただけない

夜は奮発して、ヴィーニョヴェルデ(緑ワイン)。若いワインだそうで、微発砲のスッキリ味、うますぎる

さらにポルトガル名物・タコごはん。タコが柔らかくて、甘くて最高にうまい

そういえば、このポートワインツアーの際にEOS-60Dをベンチから落とし、フィルターを破損させてしまった。そんなことがありながら、全く嫌な思い出がない街だ。旅人たちにポルトの街のサイズをぜひ体感してもらいたい。


■ポルトガル/ポルト安宿情報

名前:Residencial do marques
住所:Praca Marques Pombal, 181Porto, 4000-391
電話:+351225022745

・ダブルルームで予約したら、なぜかシングルベッドが3つ・ホットシャワー・wifiあり。バルコニーもあり

・ホテルズドットコムで予約 30ユーロ(3900円)
・地下鉄マルケス駅前。徒歩1分 真ん中の駅まで地下鉄で2駅
・ミニスーパーは近くにあり。ワインは1本1.5ユーロぐらいから。近所に鳥の丸焼き屋もあり(4ユーロぐらい)
・宿の主人は英語はぼちぼち。スペイン・フランス語ははなせそうだった

■ポルトガル/ポルトレストラン情報

名前:Solar Moinho de vent 
住所:Rua sa noronha 81,Porto,Portugal
電話:+ 351 22 2051158

・地下鉄Aliados駅から歩いて10分ぐらい。周りに名所(世界遺産の本屋さんとか)も多いので、散歩がてらいける
・ビール2杯、オリーブ、タコごはん、タラの煮込みリゾット、ワイン1本 (44ユーロ=5720円)。魚介がめちゃうまい
・かなり人気店なので予約したほうがいいかも
・予約なしの僕らは7時前に入店。客はもう一組のみだったが、その後8時ぐらいまでに満員になった
・英語メニューあり、店員も英語が通じる